Act.11「それぞれの戦い―2」
ギンザとミイネの目の前に現れたそのメダロット―――
複雑に絡まったコードのような脚部、尋常でないほどに詰め込まれた右腕部のミサイル、
見るからに威力の高そうなレーザー砲を左腕部に装着しており、
不気味な面をした頭部……それは―――――
『ビーストマスター』・・・!!
「何なんだよコイツ…… メダロットかよ!?」
「わ、わかんないケド・・・急にどうしてこんなヤツが……」
『ガァァアアアアアアアアア!』
その叫び声は空気を振動させるほどにこだました。
そして『ビーストマスター』がゆっくりとこちらに向かってくる―――!
『親分!どうしますか!?』
『ミイネちゃん!』
二人は顔を見合わせ、うなづいた。
「しかたねえ・・・よし、やるか!」
「ええ!このままほうっておくワケにもいかないでしょ!」
「よっしゃ!バトルフィールド、展開だ!」
あたり一面にフィールドが展開される……
『バトルフィールド展開シマス……今回ノフィールドハ『サイバー』 デス……』
「サイバーなら条件は五分ってとこかしら……」
『親分!かましてやりましょうぜ!』
「うおっし、行くぞ!」
『―――ロボトルファイト』
一方、カイトは・・・
「さあて、こっちもはじめようじゃねーか!」
ダヴが威勢良く言う。
「くっ!バトルフィールド、展開だ!」
ロボトルの舞台―――『バトルフィールド』があたり一面に展開される!
『バトルフィールド展開シマス……今回ノバトルフィールドハ『針山』デス……』
「針山ァ!?ダメージを受ける上に相性最悪じゃねーか……」
カイトはガクリと肩を落とす。
「チッ……まあいい、どのみちてめえらはズタボロだしな!
自滅するかもしれねえぜ?ヒャーハハハ!」
その時、オメガが言い放った。
『言いたい事はそれだけか・・・?さっさと始めるぞ・・・!』
「あァ!?上等だこのポンコツ!ぶっつぶす!」
『―――ロボトルファイト』
『ダヴ――――!!!』
開始の合図と共に、ドラグロイが凄まじい速さでダヴのメダロット、カースネイルに斬りかかる!
『ガアッ!』
『カースネイル右腕パーツダメージ73%。』
(クッ……全快ならば壊せていた……!!)
「チィ!雑魚が!カースネイル!役立たずにデストロイだ!」
カースネイルの右腕パーツのデストロイが金属音と共にドラグロイを貫く!!
『があああああああっ!!』
『ドラグロイ、左腕パーツ、脚部パーツダメージ100%。機能停止』
「くっそお!オメガ!右腕で攻撃だ!」
『……ああ』
右腕のライフルをカースネイルめがけてぶっ放す!
掠める程度だったが命中した!
『ギィ!』
『カースネイル、右腕パーツダメージ27%。機能停止。』
カースネイルの右腕の装甲がはじけ飛んだ。
「クズが……!消えろ!」
カースネイルの左腕パーツのソードがオメガを切り裂く!
『ぐあああああああ!!』
『オメガ、右腕パーツダメージ57%、左腕パーツ49%、共ニ機能停止』
『ぐ……!』
オメガがひざまづく……!
「どうしたァ!この程度か!?」
「くそっ!ただでさえ装甲が回復してないのに!」
その時、フィールドの針山が作動し、各メダロットにダメージを与える!
『ぐああっ!』
『くっ!』
『オメガ、ドラグロイ、各パーツダメージ5%』
「クク……」
カイトは何故かカースネイルに地形のダメージがないことに気づいた。
「……あれ!?何でオマエのメダロットにはダメージがないんだよ!」
ダヴが嘲笑しながら言う。
「クハハ!残念だったなぁ!カースネイルの脚部にはなァ、
フィールドの効果を無効にする特殊効果があるんだよ!」
「じゃ、じゃあどうして針山が決まったとき舌打ちなんて……」
「決まってンじゃねェか…… いたぶる時間が限られるからだよ!ヒャハハハハ!!」
『くそっ!しかしそれがどうした!』
オメガは頭部のミサイルを放つ!
カースネイルは切りつけ落とそうとするがその直前で弾頭が分離した!
『喰らえ……ッ!』
カースネイルの左腕に炸裂する―――!!
『ギ……!!』
『カースネイル、左腕パーツダメージ100%。機能停止』
『やったぞ!』
ドラグロイが思わず声を上げる。
しかしダヴは焦りも見せず、
「ククク……頭部パ−ツだカースネイル!」
頭部パーツの使用の宣言と共に、
見る見るうちにカースネイルの破損パーツがなおってゆく……!
「そんな!うそだろ……!」
「さあて、そろそろしまいにしようや、ボウズ!」
カースネイルのデストロイ攻撃がオメガめがけて放たれる―――!
(ここまでか……!!)
絶体絶命の状況に立たされたカイトたち、果たして―――!?
Act.11・・・完